戸籍謄本
戸籍とは
戸籍とは日本人の身分が登録されているものです。
身分というのは、誰から生まれたのか?どこで生まれたのか?いつ生まれたのか?などになります。
また、戸籍に記載されているということは、日本国籍があることの証明ともなります。
戸籍は日常の生活において身分証明のような役割を果たすことが多々あります。
結婚や離婚は元より、家屋の登記申請をする場合やパスポートの発行を申請する場合等には、戸籍などの公的な書類が無ければ受け付けられません。
さらに、相続時においては、故人の戸籍を出生から死亡まで全て集める必要があります。
なぜかというと、家族にとっては、子供や相続人は自分達だけと思っていても、違う場合もあるからです。
つまり、自分達以外の第三者に対して相続人が誰かを戸籍などの公的な書面で正確に証明する必要があるということです。
この戸籍を集める手続きは相続時の家屋の移転だけではなく銀行預金の名義変えや、車の移転でも相続時には必要となってきます。
非常に面倒な手続きなのですが、時間が取れない等の場合には弁護士、司法書士、行政書士などに依頼をしてこの相続手続きを任せることも可能です。
戸籍謄本(抄本)の種類と呼称
戸籍謄本(こせきとうほん)は電子化が進んだワープロ打ちのものと、まだ電子化が行われていない 手書きのもの(改製原戸籍謄本)の2通りがあります。
電子化が進んだワープロ打ちのフォーマットのものは「全部事項証明」と記載されています。
尚、戸籍謄本の一部の人に関する部分のみを抜き出したものに戸籍抄本(こせきしょうほん)というものもあります。
戸籍抄本も電子化が進んだ新しいフォーマットのものは「個人事項証明」という新しい呼び方がされています。
しかし、名称変更後も、一般的には、古くから使われてきている 戸籍謄本・戸籍抄本という呼び名が使われているというのが現状です。
戸籍の届出には主に以下のものがあります
出生届
- 子供が生まれてから14日以内に届出
- 原則として出生証明書が必要
- 届出義務者は父母(未婚の場合は母)
- 出生地で届出可能
- 名前が決まっていない場合でも14日以内の届出義務有り
認知届
- 男性が自分の非嫡出子を法的に自分の子として届け出ること
- 遺言による認知も可能
- 裁判で強制的に認知を男性にさせることも可能
養子縁組届
- 自分より年少のものを養子にしたい場合の届出
養子離縁届
- 養子を解消するための届出
特別養子縁組届(1987年~)
養子が、法律上も戸籍上も実親との関係を断ち切り、実子と同じ扱いにした縁組。
原則5歳以下の子を養子にする場合に届け出ができ、縁組には特別な事情が必要で家庭裁判所の許可が必要。
戸籍には生物学的両親の情報は載らないが、裁判確定に基づく入籍である旨は記載される。
結果、戸籍をどんどん遡ることにより、生物学的実父母が誰であったか?を知ることも可能。
特別養子離縁届
- 特別養子を解消するための届出。特段の事情がある場合にのみ認められる。
離縁の際に称していた氏を称する届出(戸籍法73条の2項)
- 養子離縁によって旧姓に戻った人が養子時の苗字に戻るための届出。
婚姻届
- 法的に夫婦として認められるための届出
- 男性18歳以上、女性16歳以上で届出可能
- 証人が2人必要
- 本籍地以外に届出する場合は戸籍謄本が必要
離婚届
- 婚姻関係を終了させるための届出
- 証人が2人必要
- 本籍地以外に届出する場合は戸籍謄本が必要
離縁の前に称していた氏を称する届出(戸籍法77条の2項)
- つまり、この届け出記載が戸籍に載っていた人の場合には離婚しても氏の変更は無い。
親権(管理権)届
- 「親権者指定」
- 「親権者変更」
- 「親権喪失」
- 「親権喪失取消」
- 「親権辞任」
- 「親権回復」
- 「管理権喪失」
- 「管理権喪失取消」
- 「管理権辞任」
- 「管理権回復」
上記10種類の届出があり、子供を養育する権利と財産を管理する権利についての手続きを行うための届出。
尚、子が居る夫婦が離婚する場合には、離婚時に親権者を指定しなければならない。
氏の変更届(戸籍法107条の1項)
- 家庭裁判所の許可を受け、氏(苗字)を変更する届け出。相当な事情が無ければ許可されない。(裏技が在るとされているので注意が必要です)
名の変更届(戸籍法第107条の2項)
- 家庭裁判所の許可を受け、下の名前(名)を変更する届け出。(多数の手法、裏技が在るとされているので注意が必要。近年名の変更は特に増加傾向にあります。)
不受理申出
- 婚姻届や離婚届などを無断で提出されないための申し出。ストーカー等からの防衛、協議離婚不調時の防衛等に使われる。
不受理申出取下書
- 不受理申出を取り消すための書類。上記の理由がなくなった場合に申し出る。(尚、一旦取り下げた後でも事情が発生すれば再度不受理申出を届け出ることもできる)
死亡届
- 届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内
- 診断書、検案書が必要
- 届出の第一の義務者は、同居の親族
分籍の届出
- 現在記載されている戸籍から抜け新しい戸籍を作る場合の届出
- 戸籍筆頭者・配偶者・満20歳未満は届出不可
転籍届
- 本籍地を新しく定める場合の届出
筆頭者は、地番などが定められた国内の土地であれば本人の意思で自由にいつ、何処に転籍しても良いこととなっている。他人が暮らす土地や路上でも良い。 (例 皇居に本籍地を置いている人は約弐千弐百人居る)